第一種衛生管理者 過去問
解説あり

第一種衛生管理者は、職場で働く人の健康を守るために、衛生（えいせい）管理を進める国家資格です。
【重要】第一種の免許があると、業種を問わず衛生管理者として選任できるのが強みです。
一方で、「必ず置かなければならない職場かどうか」は、事業場の条件（規模・業種など）で決まります。

【選任（置く）義務のイメージ】
・一定の条件に当てはまる事業場では、衛生管理者を選任する必要があります（代表的な基準として「常時50人以上」などがあります）。
・実際に「うちの職場は対象か」「何人選任が必要か」は、業種・人数規模で変わるため、会社側で確認して決めます。

・職場環境の衛生管理
　作業環境測定、換気、照明、温度、騒音、粉じん、有害物などの管理
・労働者の健康管理
　健康診断の手配と結果の確認、再検査の案内、ストレスチェック対応（実施体制の整備など）
・衛生教育・指導
　手洗い・保護具・熱中症対策など、守るべきルールの周知と教育
・労働災害や健康障害の予防
　危ない作業の見直し、リスクの洗い出し（リスクアセスメント）
・安全衛生委員会への参加
　衛生管理の計画づくり、実施状況の報告、改善案の提案

・職場の健康と安全を守る「仕組み」をつくる中心になります。
・会社（事業者）と現場の間に入り、ルールを現場で実行できる形に整えます。
・法令に沿って、病気や災害を防ぐための対策を続けます。
・働きやすい環境づくりは、生産性や定着率にも良い影響があります。

受験資格を満たして試験に合格し、免許申請をして免許を受けます。
受験資格は学歴や実務経験などで複数パターンがあります（詳細は公式要件で確認が必要です）。

・実務経験が必要になる代表例（目安）
　大学などを卒業＋労働衛生の実務経験
　高校などを卒業＋労働衛生の実務経験
※「労働衛生の実務」は、職場の衛生管理に関わる業務で、事業者証明書などの提出が求められることがあります。

【特例（すでに第二種を持っている人向け）】
第二種衛生管理者免許を持っている人は、「特例第一種衛生管理者免許試験」として受験でき、受験資格の証明書類が不要になる扱いがあります（第二種免許証の写し等が必要です）。

・未経験の人：100～150時間が目安
・関連知識がある人：50～100時間が目安
合格率は年度で上下しますが、近年はおおむね40～50％前後で推移しています

合格の近道は「過去問中心＋弱点つぶし」です。
①過去問を最優先
・出題の型に慣れることが最重要です。間違えた問題は、理由まで説明できる状態にします。
②暗記の軸は「関係法令」と「労働衛生」
・関係法令：数字（人数・期間・基準）とルールのセットで覚えます。
・労働衛生：有害物、作業環境、熱中症などの対策の考え方を整理します。
③スキマ時間を活用
・短時間で回せる「一問一答」「間違いノート」が効きます。
④時間配分の練習
・本番と同じ制限時間で解く練習をします。
⑤労働生理は「流れ」を絵で理解
・呼吸、血液循環、体温調節などは、仕組みを先に理解すると暗記が楽になります。

関連資格を取得することでキャリアアップのほか、手当や給与アップが期待でき、より安定したキャリアを築くことができます。

衛生工学衛生管理者

第一種衛生管理者が取得後に追加講習を受けることで取得可能。

特定の業種（鉱業、製造業など）での衛生管理に特化。

労働安全コンサルタント（衛生）

労働安全衛生分野の専門家として、企業のコンサルティング業務が可能。

受験資格として、第一種衛生管理者取得後の実務経験が必要。

第二種衛生管理者

第一種と異なり、一部の業種（小売業、サービス業など）に限定される資格。

第一種より範囲が狭いため、試験の難易度はやや低め。

安全管理者選任時研修修了資格

労働安全衛生法に基づき、一定規模以上の事業所で安全管理者を選任するための資格。

公害防止管理者

環境管理に関する国家資格で、特に職場の環境衛生に関わる分野と関連性がある。

試験は、全国9つの安全衛生技術センターで実施されています。毎月2～6回程度の実施が一般的です。

また、各都道府県で年1～2回の「出張特別試験」も実施されており、センターから遠方にお住まいの方はこれらの試験を利用することができます。

北海道安全衛生技術センター（北海道恵庭市）

東北安全衛生技術センター（宮城県岩沼市）

関東安全衛生技術センター（千葉県市原市）

関東安全衛生技術センター東京試験場（東京都港区）

中部安全衛生技術センター（愛知県刈谷市）

近畿安全衛生技術センター（兵庫県加古川市）

近畿安全衛生技術センター大阪試験場（大阪府大阪市）

中国四国安全衛生技術センター（広島県東広島市）

九州安全衛生技術センター（福岡県久留米市）

試験日程は各会場によって異なり、複数回設定されます。

第一種衛生管理者試験の最新試験要項（公益財団法人 安全衛生技術試験協会）では、出題科目は

労働衛生（有害業務に係るもの）10問

労働衛生（有害業務に係るもの以外のもの）7問

関係法令（有害業務に係るもの）10問

関係法令（有害業務に係るもの以外のもの）7問

労働生理 10問
の計5科目・44問と定められています。

8,800円（非課税）

通常、試験日から約7日後に行われます。

合否の確認方法は以下のとおりです。試験当日に正式な合格発表日が案内されますので、詳細は受験会場で確認するようにしましょう。

公式ホームページでの確認

各安全衛生技術センターの公式サイトにて、合格者の受験番号が掲載されます。

郵送による通知

合格者には「免許試験合格通知書」、不合格者には「免許試験結果通知書」が郵送されます。

第一種衛生管理者試験は、次のような受験資格のいずれかを満たすと受験できます（受験資格は複数パターンあります）。

大学（短期大学を含む）または高等専門学校などを卒業した人：卒業後、1年以上の労働衛生の実務経験が必要です。 

高等学校または中等教育学校を卒業した人：卒業後、3年以上の労働衛生の実務経験が必要です。 

学歴にかかわらず：10年以上の労働衛生の実務経験で受験できる枠もあります。 

※「労働衛生の実務」とは、職場で労働者の健康を守ったり、心身の能力を高めたりするための実務です。
※「専門学校卒だから一律OK」とは限りません。専修学校の専門課程など、別の要件枠として扱われます。

無試験で免許申請できる場合（試験を受けないで免許申請）
医師・歯科医師・保健師・薬剤師、または所定の課程修了者などは、要件を満たせば試験を受けずに第一種衛生管理者免許の申請ができます。 

マークシートによる五肢択一式

インターネットまたは郵送で行います。

申請時に必要書類（受験申請書、実務経験証明書など）と受験手数料を提出します。

詳細は安全衛生技術試験協会の公式サイトを確認しましょう。

試験日の2か月前から開始されます。

また、申請方法によって締切が異なります。

オンライン申請：試験日の14日前まで

郵送申請：試験日の14日前（消印有効）まで

窓口持参：試験日の2日前まで（ただし、土・日・祝日を除く）

受験申請後、通常10日以内に郵送されます。

万が一、試験日の20日前になっても受験票が届かない場合は、公益財団法人安全衛生技術試験協会本部に問い合わせるようにしましょう。

1. 総合得点が60%以上（44問中27問以上正解）

2. 各科目ごとに40%以上の得点が必要

関係法令（有害業務）　→10問中4問以上の正解
関係法令（有害業務以外）　→7問中3問以上の正解
労働衛生（有害業務）　→10問中4問以上の正解
労働衛生（有害業務以外）　→7問中3問以上の正解
労働生理　→10問中4問以上の正解
 

どれか1科目でも40%未満だと不合格になるので、全科目でバランスよく点を取ることが重要です。

合格後免許申請を行うと、通常申請から約1ヶ月以内に免許証が交付されます。